「常に不満足でいることが前に進むための原動力になる」

皆さんは以前にどこかで聴いたことのある諺や格言を耳にして、ハッとさせられたことはないだろうか。

今日の午後、東京FMを聴きながら仕事をしていると、番組のパーソナリティーである山下達郎氏が、「常に不満足でいることが前に進むための原動力になる」と述べ、ハッとした。

これは山下氏が普段から心がけていることで、仕事をする上で完成した作品に満足しないことが次につながる力になると話していた。いま71歳の山下氏は1970年代から自分のアルバムをリリースしてきたが、締め切りまで粘って作品を良くしていく努力はするが、時間的にこれ以上は延長できないところまで力を尽くしても本当に満足できたことはほとんどなかったと述懐していた。特に若い頃はそうだったという。

不満足でいるということはいたたまれない心情ではあるが、その思いこそが「次こそもっといい作品を」という思いになり、前進していけると話した。

こうした気持ちはある意味で真理かもしれない。もちろん不満足といっても、山下氏のレベルであればすでにかなりの作品に仕上がっているはずで、もっと先に進むために自分自身にダメ出しをする同氏の一途さには感心させられた。

中ロが練る台湾侵攻

以前から極東の政治問題の一つとして取り上げられてきたテーマではあるが、ここにきて現実味を帯びてきた。何のことかというと、中国とロシアが手をとりあって台湾を侵攻するという話だ。

というのも、米時間5月2日にバイデン政権のアブリル・ヘインズ国家情報長官が、連邦議会の上院軍事委員会で次のように発言したのだ。

「われわれ(米国)は中国とロシアが台湾(侵攻)について初めて行動を共にする可能性があることを認めている。台湾は中国がロシアに協力してほしい場所であり、そうしない理由はない」

国家情報長官という役職は、CIAを含めた米政府に16ある情報機関を統括する立場で、その人物が中ロが台湾侵攻で協調しているとの見方を示しただけに事態は深刻である。ただ、同長官は台湾侵攻の可能性も含め、中ロが連携するシナリオに対抗するため、米政府内で新たな計画を準備していることも明らかにした。

ただその計画が発動されるということは大規模な戦争を意味するので、ただ事ではない。同長官はさらに、ロシアと中国が「政治、経済、軍事、技術など、社会のあらゆる分野において『制限のない』協力関係を強めている」という情報分析結果を明らかにもした。

そうなると、日本にも大きな影響が及ぶはずで、いまから政府だけでなく市民レベルでも台湾有事を想定した研究や議論を活発化させておくべきだろう。

ビタミンDの効能を再確認

以前からビタミンDが骨や筋肉を丈夫にしたり、ガンを予防することは知られていたが、最近発表された医学論文では、ビタミンDの摂取がガンとたたかう時にこれまで以上に強い味方になることが複数の証拠で明らかになった。

25,871人を対象にした研究では、ビタミンDの摂取は転移ガンと死亡のリスクを17%減少させることがわかった。健康体重を維持している患者ではリスクは38%も減少している。

またビタミンD濃度が60ng/mL以上の女性は20ng/mL未満の女性にくらべると、乳ガンのリスクが82%も低いことが示された。同時に、肺ガン、大腸ガン、乳ガン、膀胱ガン、リンパ腫のリスクはビタミンDの濃度が低い人ほど高いことも確認された。さらに70歳以上の人がビタミンDを毎日摂ることは特に有益であるという。

ビタミンDレベルを最適化するのに最善の方法は簡単で、日光浴をすることである。多くの女性にとって直射日光は「お肌の敵」だろうが、メラトニンの生成を促進するので重要である。太陽光を浴びることは、電磁波の一種である近赤外線を体の奥まで浸透させることになり、ビタミンDレベルを最適化させることになる。

十分な日光浴ができない人にとってはビタミンDのサプリメントを摂取することが勧められる。論文では年2回ほど血中のビタミンDレベルを測定することを推奨している。

それでも、ビタミンDはガンの発生を奇跡的に解決する魔法の薬ではない。健康的なライフスタイルを維持しながら、高質な食事を摂取することが大切になる。

横尾忠則:朝日新聞に「語る」

朝日新聞が文化面で掲載している「語る」欄で、昨日まで横尾忠則が連載を続けていて、興味深く読んだ。今年6月で88歳になる横尾はいまでも毎日、絵を描き続けており、そのモチベーションの源泉をかいま見た思いがした。

私はまだ66歳で、彼より20歳以上も若いが、正直に言えば、すでにやりたい仕事はおおかたやって、あとは好きなモノだけを書いていこうと思っていたので、88歳になったいまも150号の大作を制作している横尾のバイタリティーには舌を巻くしかない。

朝日の記者が「今後の目標は?」と訊くと、「全然、ゼロ。その日にくるものが僕の未来を創造します」と飄々と述べる。そしてこう言うのだ。

「計画や目的を持つと束縛されて不自由です。毎日、努力して描いていると思われるかもしれませんが、これは日常だから努力と言わないんです」

そしてなるほどと思えることを呟く。

「実は、もう絵を描くことに飽きてしまっています。でも飽きた気分で描いた絵を見てみたい。飽きた方が、意欲という存在から解放されて自由になると思う。だから絵はずっとずっと描き続けるでしょうね」

ここまでの境地に達するには、私にはもう少し時間が必要かもしれない。(敬称略)