先月もこのページで記したが、歳を重ねるにしたがい、確実に記憶力の低下が自覚できるようになってきた。来年70歳になるので無理もないという捉え方もできるが、いくつになっても記憶力はしっかりと留めておきたいと思うのはほとんどの方の願いだろう。
モノゴトを忘れやすくなっているのは年齢もあるが、スマホを含めたデジタル機器を多用するようになり、「スマホを使えばすぐにわかるから」という理由で、自らすすんで多くのことを覚えなくなっているというせいもある。すでに『スマホ脳』(新潮新書:アンデシュ・ハンセン)などの書籍で詳述されているように、グーグルをはじめとする検索機能をつかえば物事の細部までかなり深く探ることができるので、わざわざ複雑なことを記憶しておく必要がなくなった。
「学習」という、自ら理解して考えるという作業をパソコンに任せることで煩わしいことをする必要性が減っているのが現代社会である。それは逆に人間がモノゴトを考えなくなってきたということであり、一言でいえば「人間がバカになる(スマホ認知症)」ということにつながる。
ハンセン氏は書く。「記憶するためには集中しなくてはいけない。しかしインスタグラムやチャット、ツイート、メール等を次々にチェックして間断なく脳に情報を与えつづけると、情報が記憶に変わるプロセスを妨げることになる。本当の意味で何かを学ぶためには集中と熟考が求められる」
パソコンやスマホを多用すると、間断なく脳に情報が送りつづけられることで、情報が脳内で記憶にかわる猶予がなくなる。今日から生活のペースを少し下げてみようと思う。

