ロシアのウクライナ侵攻から4年

ロシアがウクライナに軍事侵攻してから明日でちょうど4年になる。

死亡した兵士は行方不明の兵士と合わせると11万を超える。国外に避難したウクライナ人は590万人超で、同国の人口がいま約3953万人(国連データ)なので、国内避難民(370万人)と合わせると約4人に1人は自宅を追われたことになる。

この数字がどれほどのことなのか、皆さま考えたことがおありだろうか。自分の意思に反して自宅を離れなくてはいけない境遇というのは、いまの日本人はほとんど経験したことがないはずである。ましてや戦争という状況なので、身の危険が迫っており、避難民という自ら望まない立場に身を置かなくてはいけない。

さらに、今年に入ってからウクライナは冷え込みが厳しく、連日零下15〜20度にまで下がっているという。停電が続いているところが多く、暖房も満足に得られず凍えるような寒さの中で過ごす人が大勢いる。

2022年2月2日、私はロシアがウクライナに侵攻する直前、駐日ロシア大使のミハイル・ガルージン氏に質問したことがある。その時、大使は「ロシア側から戦争をしかけることはない」と明言した。だが3週間後の2月24日、ロシアはウクライナに軍事侵攻する。

そして軍事行動の直後、大使は言い訳として「ウクライナに住む親ロシア派の住民に対するジェイのサイド(集団殺害)を防ぐため」と述べ、「市民を守るためでありウクライナを占領するためではない。ロシアはウクライナの市民に対して軍事行動を起こしていない。ただ軍事施設を攻撃しているだけに過ぎない」と平然といってのけたのだ。私は愕然として言葉も出なかったのを覚えている。

帰路、「これではロシアが信用されるわけがない」と呟いていた。

最高裁がトランプにノー

やりたい放題ーー。

この言葉こそが今のトランプ大統領(以下トランプ)の行状を表す適語なのだろうと思う。大統領は独裁者ではないが、トランプの言動を見聞きする限りにおいて、独裁者的な要素が溢れている。それが「トランプらしさ」と言ってしまえばそれまでだが、少なくとも米国は民主国家であり、国家運営がすべてトランプ流で押し通されてはいけない。

米時間20日、米最高裁がそんなトランプに「ノー」を突きつけた。

少なくとも三権分立のなかでも司法は機能していることを示した形となった。トランプは「約70カ国・地域に10%の追加関税を課す」と表明していたが、それに対し中小企業などが原告となって提訴。一審、二審ともに違法判決がでており、今回最高裁もトランプが違法に関税を課したと判断したことで、最終的にトランプに「ノー」が突きつけられた。

トランプは敗訴しても別の形で法的アプローチを試みてくると思われるが、今回最高裁がトランプにノーを突きつけたということは、少なくとも司法分野は機能しているということであり、徹底的にトランプと戦って頂きたいと思う。

「りくりゅうペア」への賛辞止まらず

ミラノ・コルティナ五輪で「りくりゅうペア(三浦璃来、木原龍一)」がフィギュアスケートのペアフリーで日本勢初となる金メダルをとったことは皆さまご存知の通り。同分野で初めてだっただけでなく、史上最高得点をマークしたことで世界中から注目を集めている。海外メディアの扱いを少しご紹介させていただく。

ニューヨーク・タイムズ:「今夜の三浦と木原の出来栄えは、次点のペアに12点近く差をつけたことが全てを物語っている。トリプル・トゥループから2本のダブル・アクセルに続くシークエンスを含む、彼らのコンビネーションの出来はあまりにも良く、完成度が高すぎた」

NBCテレビ: 「決勝の演技で二人は、『グラディエーター』に合わせ、完璧でクリーンな滑りを披露。力強さ、パワー、そして息を呑むような一体感で、フリーの演技としてはシーズンベストの158.13点、合計231.24点を叩き出した」

ESPN(米スポーツ専門チャンネル): 「三浦と木原は、破ることのできないスコアを叩き出した。他チームがサルコー・ジャンプに苦戦する中、三浦と木原の演技はクリーンで、スロー3回転ループはプログラムに華を添えた」

Time誌:「二人のジャンプは、この夜のジャンプコンビネーションの中では2番目に高いポイントを獲得した。彼らのスピードは審査員を感銘させ、構成、プレゼンテーション、スケーティング技術の3項目で、それぞれ10点満点中、9.46点、9.32点、9.46点を獲得した」

フランス24テレビ:「日本選手はショートプログラムでミスが続き、後手に回っていたが、『グラディエーター』のBGMに乗せた力強い演技で金メダルを確定させた。 ミラノ・アイススケートアリーナに集まった観客は彼らのスピード感あふれるダイナミックな演技で総立ちになった」

ノルウェーがメダルを量産できる理由

連日、TVでミラノ・コルティナ五輪を観ている。オリンピックという場で選手たちが全力を振り絞り、真剣な眼差しで競技に向き合っているのがTV画面から伝わってくる。しかも、世界のトップ選手たちが集っているので、こちらも真剣に見入ってしまう。

15日までに日本が獲得したメダル数は17個。個数だけで言えば、1位のノルウェー(26個)、2位のイタリア(22個)、そして日本は米国と同数の17個で3位。ただ、メディアが使う序列は金メダル数が柱になるので、ここまで金3個の日本は10番目ということになる。

ここで私が疑問に思うのは、人口560万人のノルウェーがなぜ冬季五輪でメダルを量産できるのかということである。人口100万人あたりのメダル獲得数を比較すると、ノルウェーは米国のなんと72倍の効率だという。その基礎にあるのは、子どもの頃からスポーツを楽しむ権利が法的文書で明文化されているからのようだ(Children’s Rights in Sport(子供のスポーツの権利)。

その中には「子供は自分の意見を述べ、自分からスポーツ活動に参加する権利がある」や、「子供は達成感を味わい、多様なスキルを学ぶ権利がある」といった条項があり、国家レベルでスポーツを推進する文化が背景にある。

さらに、さまざまなスポーツを行わせる中で、一定の年齢まで順位をつけたり、競技優先にしたりすることを認めていないという。厳しいトレーニングをスタートさせるのは、子どもたちが自らの意思で競争の世界で戦うことを決めてからになる。日本も他国と比較すると決して劣っているわけではないが、「ノルウェー流」を取り入れることはできるかもしれない。