オバマ対ロムニー

大統領選挙を「自分のライフワーク」などと公言しておきながら、このブログで選挙について記したのは5月23日(米ロ大統領選へ) が最後である。恥ずかしい限りだ。

今日まで、共和党からはほとんど勝ち目のない候補を含めて15人ほどが出馬宣言をしている。特定の州だけで出馬宣言をしている候補もいるので実際はもっと多いが、泡沫候補が大勢いるのは日本でも投票所に行って聞いたことのない候補がリストされているのと同じである。 

来年11月6日の本選挙までずいぶん時間はあるが、候補のネームバリュー、選挙資金、選対の力、有権者の反応、世論調査、政策の良し悪しなどを考慮すると、私の見立てでは現在のところ前マサチューセッツ州知事のミット・ロムニー、ミネソタ州下院議員のミッシェル・バックマンの2候補しかオバマと相対するだけの力量はないだろうと思っている。

ビジネスマンのハーマン・ケイン、前駐中国大使のジョン・ハンツマン、元下院議長ニュート・ギングリッチ、テキサス州下院議員ロン・ポール、前ミネソタ州知事ティム・ポーレンティーといった候補たちがこれからロムニーを追い上げ、予備選をトップで通過するようには思えない。

アメリカ政界の事情を熟知していない人でさえ、たとえばギングリッチやポールにほとんどチャンスがないことくらいはわかる。だが、新聞やテレビははっきりと言わない。

日本で政治記者が政局を外したら左遷である。「客観性を重視する」というセリフと「上部からの強い自制」によって選挙報道にはブレーキがかかる。本気で候補を平等に扱う姿勢を貫くのなら、泡沫候補すべてを報道すべきであるが、そうはならない。同時に大胆な予測もしない。

私はどこからの影響も受けないので、これまでの経験と分析ではっきりとモノを書いていくつもりである。

2012年の大統領選が熱を帯びてくるには前アラスカ州知事のサラ・ペイリンが選挙戦に入ってくるか、テキサス州知事のリック・ペリーが出馬するかだろうと思う。ペリーは出馬していないが、いくつかの世論調査では2位につけている。

もし両者が選挙戦に加わらない場合、共和党の予備選はつまらないレースになる。このまま大きな波風が立たずに来年11月、オバマ対ロムニーの戦いになる可能性もある。(敬称略)

    

                               by the White House